This is a HAKO(仮) - 根の民

 多様性の民族。鉄の民に似た容姿に、花や葉が生えていたり体の一部が樹皮化したりなど、植物の因子を持つ。植物の因子は宿素モチーフと呼ばれ、生まれて間もない頃はまだ何も出ていないが、おおよそ10代後半には発現する。その人の根幹を成す強い思いや、その後の人生を決定づける鮮烈な体験が因子として芽生える。髪や目の色は因子に影響され、発現するまでは黒髪黒目である。また、牙の民と違って宿素モチーフの決定に血筋は関係無い。
 民の魔力の性質は「個性」である。何が起こるかは因子として芽生えた植物の特徴に沿っており、芽生えた瞬間にその使い方を本能的に理解する。基本的には牙の民のように意識するだけで発動出来るが、鉄の民のような詠唱や、何らかの媒介を必要とする場合もある。

意味魔法
 根の民が扱う魔法の総称。身体に芽生えた宿素モチーフが根源となって、(恐らく)その人にしか扱えない(であろう)事象を発現させる。全く同じ種類の宿素モチーフであっても扱える事象が全く異なっているなどもよくあることで、体系化は不可能とまで言われている。
 その事象は実に多岐にわたり、条件が整えばこの世の理さえも書き換えかねないとさえ言われており、そのくらいの「ヤバい奴」には竜霊協会が目をつけていると専らの噂。
  • 例1:シャガ
 日陰に咲くことから「反抗」の意味を持つ。
 →自分が「強い」と思った相手に打ち勝つ為の力を得る。
 ※相手が強ければ強いほど得られる力は強くなるが、その意志に己の肉体がついて行けるかは実は別問題。
  • 例2:アザミ
 びっしりと棘に覆われて咲くことから「排斥」の意味を持つ。
 草むらを進む侵略者が、足音を抑えるために裸足で歩いていたらアザミの棘を踏んづけて叫んでしまったという逸話。
 →自分の手で直接触れた相手に対し、叫んでしまうほどの痛みを与える。
 ※踏まれたアザミもきっと痛いでは済まされないことだろう。
  • 例3:ルドベキア
 その花の名前の由来になった人が公明正大な人柄で有名だったので、その花にも「正義」という言葉が託された。
 その花がどことなく目のように見えることから「見つめる」という意味が生まれた。
 →見つめたものの本質や機構を見抜く力。
 ※「本質」とは何か、本人が理解できているとは限らない。
宿素モチーフが身体に与える影響
 生まれてしばらくは、根の民の髪や目は真っ黒で、その他の身体的特徴についても鉄の民と何ら変わらない。
 「その人そのもの」を決定づけるような鮮烈な経験が宿素モチーフとなって芽生え、髪や目の色はその時宿素モチーフに影響を受けて染まる。
 宿素モチーフとなる植物が表出する箇所は頭部がメジャーだが、ツタ植物であれば腕や脚や胴に巻き付くように生えたりもするし、樹木であれば体の皮膚が樹皮のように固まることもある。目や耳や喉など感覚器官を破壊して表出することもあり、そうなれば元の感覚器官は例外なく機能を失う。
枯死ウィザードアウト
 ここまでに何度か述べているように、根の民の宿素モチーフとはその人そのもの、言うなればその人の意志や信念、世界観である。万が一、人生における経験によってその世界観が根底から覆されたり破壊されたり、なんてことがあれば、その人の宿素モチーフが「枯死ウィザードアウト」してしまうことも有り得る。それはその人そのものの破壊であり、精神は元より肉体にも苛烈な痛みを伴う。最悪の場合そのまま一度死んでしまうだろう。
 宿素モチーフを失った根の民は魔法を失う。また髪と目の色は真っ黒に戻り、感覚器官が失われていた場合には機能を取り戻す。いつかまた鮮烈な経験をすれば宿素モチーフは再び生えてくるが、一度破壊された人が再び心を動かすことの難しさは、一般的には想像されにくい。
根の民は死に易い
 牙の民の身体が獣の性質を持つなら、根の民の身体は植物の性質に近づく。
 日光と水が欠かせなかったり、他の人間が採るような食事はそこまで必要なかったり、魔法などの補助無しでは適した環境以外での活動が困難だったり、褒められれば髪や肌の色艶が良くなったり、酷い言葉を投げかけられればあっさり体調を崩したりする。
 個人差が大きく、鉄の民と全く同じ条件で暮らすことが出来る者もいるが、基本的には心身ともに打たれ弱く、「こっ酷く脅かしたらそのまま死んだ」という話もある。
「枯れてしまえ事件」
 精霊歴607年。
 とある根の民の家族が鉄の民に「枯れてしまえ」と言われたことで本当に宿素モチーフを枯らして死んでしまった事件。
 人間3民族に深い亀裂を生じる最初のきっかけとなった。
 その一言は、手酷い裏切りだったという。
根の民の著名人
  • シャガのフリングレッド(防衛団・夏の心転の門番)
  • ハシバミのケイオン(裁定団・団長)